不動産相続登記(名義の変更)
不動産の所有者が亡くなると、所有権が相続人に移転します。このような、相続における不動産の名義変更手続きのことを相続登記といいます。令和6年4月1日(施行日)から相続登記が義務化されます。猶予期間はありますが、施行日前に開始された相続についても同様に登記申請の義務が適用されます。現在相続が開始している場合は、すみやかに相続登記を申請しておきましょう。
目次
相続登記とは?
相続は、人の死亡によって開始します(民法882条)。被相続人(亡くなられた方)が不動産の名義人であった場合は、相続登記が必要となります。相続登記をしないと、不動産を売却することはもちろん、贈与等により名義を変更することもできません。相続登記は、相続手続きの中でも複雑で、書類を作成する際も細かい点に注意する必要があります。相続が発生して、被相続人が不動産を所有していた場合は、まずはじめに司法書士に相談することをお勧めします。
相続登記手続きの流れ
1.登記事項証明書での確認
まずは登記事項証明書(登記情報)で不動産の名義人を確認する必要があります。たとえば、亡くなった父の名義だと思っていた不動産が実は祖父の名義のままであったり、旧い抵当権がそのまま残っていたりすることはよくあります。そのような場合は手続きが複雑になることが考えられます。
2.遺言書の有無の確認
次に遺言書の有無を確認します。遺言書があれば、遺言書に従った相続をするのが原則だからです(ただし、相続人全員が納得すれば遺言書があっても遺産分割協議をすることができます)。公正証書遺言の有無は、公証役場に照会することもできます(平成元年以降に作成されたもの)。
3.相続人を調査する
遺言書がない場合は、遺産分割協議をするために相続人を調査します。相続人を一人でも欠いた協議は無効となります。相続人を調査するには被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、相続人を確定します。配偶者と子のような単純なものもありますが、養子縁組がされていたり、代襲相続・数次相続の発生、相続放棄がされている場合もありますので慎重な調査が必要です。
4.被相続人の遺産の確認
遺産分割協議をするにあたり、被相続人の遺産を確認する必要があります。不動産については市町村役場で名寄帳を取得し、登記事項証明書とを突き合わせて被相続人名義の不動産を確認します。その他に預貯金・有価証券・動産・出資金などの相続財産を調査します。
5.遺産分割協議書の作成
誰が何を相続するかを相続人全員で協議して決めます。その結果を遺産分割協議書にして、その協議書を添付して相続登記を申請します。協議による分割は、内容的にどのような分割がされても自由です。
6.相続登記の申請
登記の申請書を作成し、遺産分割協議書等を添付して不動産を管轄する法務局に申請します。遠方の法務局であってもオンラインで申請するため問題ありません。提出した書類に不備がなければ通常1週間程度で登記が完了します。これで不動産の名義変更は終了です。
相続登記の種類
- 遺言による相続
→自筆証書遺言と公正証書遺言では手続きが異なります。 - 遺産分割による相続
→相続登記のほとんどが遺産分割協議に基づくものです。 - 法定相続による相続
→法定相続分によって相続登記をすることもできます。
相続登記の法定費用
相続登記の申請には登録免許税の納付が必要です。課税のもととなる額は、市町村役場から通知される固定資産の評価額です。
手続き名 | 登録免許税 |
---|---|
所有権移転(相続登記) | 評価額の4/1000 |
現在は、相続登記にかかる登録免許税が非課税になる場合があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。※その他、登記事項証明書や登記情報取得の実費が発生します。
報酬
相続登記手続きの報酬と業務内容は、以下のとおりです。
業務内容 | 報酬(報酬) |
---|---|
相続登記手続き | 88,000円〜 |
- 所有権移転登記(相続)の申請
- 戸籍謄本等の交付請求
- 相続関係説明図の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 登記事項証明書の取得
お問い合わせ
相続手続きに関する相談は無料で行っております。ご自宅や近くの喫茶店などへの出張も対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。お問い合わせフォームまたは電話(0563ー77ー2275)にてお待ちしております。