遺言書作成
遺言書を作成することは、遺される家族に対する最後の思いを書き表すことです。と同時に、相続トラブルを未然に防ぐ方法でもあります。仲の良かった家族が相続をきっかけにして対立してしまうことは、非常に悲しいことです。「うちの家族に限っては…」そう決めつけることなく、少しでも気になるところがあれば何でもご相談下さい。遺言書作成の専門家が、思いをすべて入れ込んだ遺言書の作成をサポートします。
目次
特に遺言書を作成した方が良い事例
夫婦に子供がいない場合
夫婦に子供がいない場合で夫に相続が発生すると、相続人は妻と夫の父母、または、妻と夫の兄弟姉妹になります。夫の兄弟姉妹などは疎遠の場合も多いですし、話し合いが困難になる可能性もあります。妻にすべてを相続させたい場合は、遺言書の作成を強くお勧めします。
特定の相続人(子)に多めに財産を残したい
子供(兄弟姉妹)すべてに相続権があります。特定の子供に多くの財産を残したい場合は、トラブルになり兼ねませんので、「付言」なども合わせて書いておくようにしましょう。
離婚・再婚をしている
離婚や再婚をしている場合は、離婚前の子供、再婚後の子供など相続関係が複雑化しているときがあります。面識のない人同士が相続人になると話し合いは困難です。
相続財産のほとんどが不動産の場合
不動産は預貯金と違い、簡単に分けることができません。そのため、トラブルにつながりやすいです。遺言書を作成すればトラブルを未然に防ぐことができます。
公益団体に遺産を寄付したい
相続人がいない場合は、財産は最終的に国庫に帰属することになります。自分が寄付を希望する団体があれば、それを遺言書に記載しておきます。
遺言書の種類
遺言書の種類は、大きく分けて次の3つです。それぞれにメリット・デメリットがありますが、専門家のお勧めは公正証書遺言です。なお、秘密証書遺言はほとんど利用されておりません。
遺言書の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自筆証書遺言 | ・遺言書の作成に費用がかからない ・遺言書の内容を他人に見られない ・紙とペンさえあればいつでも作成できる | ・せっかく書いても相続開始後、発見されない可能性がある ・家庭裁判所の検認手続きが必要 ・一人で作成すると要件を満たさず、無効になる場合もある ・ほとんどを手書きする必要がある |
公正証書遺言 | ・遺言が違法や無効になることがない ・家庭裁判所の検認が不要 ・公証役場に原本が保管される | ・公証人の手数料が必要 ・相続人や受遺者以外の証人が2人必要 |
秘密証書遺言 | ・遺言書の内容を秘密にできる ・遺言の存在を明確にできる | ・費用がかかる ・家庭裁判所の検認手続きが必要 |
遺言書は作成して終わりではありません。ご自身の遺言を遺言書のとおりに執行することが目的です。そのため、紛失や偽造の心配があり、また、遺言書が発見されない可能性のある自筆証書遺言はあまりお勧めできません。多少費用がかかっても、検認手続きが不要であり、紛失などの心配もない公正証書遺言がお勧めです。
公正証書遺言作成の流れ
公正証書遺言の作成は、おおむね以下のような流れで進んでいきます。
1.文案を作成する
公正証書遺言の場合は、筆記するのは公証人のため(民法第969条)、遺言者が自署するのは氏名だけです。そのため、遺言書の文案を作成し、公証人にあらかじめ内容を確認してもらいます。遺言者の思いを丁寧に聞き取り、ご自身の納得する文案を一緒に作成していきます。
2.文案と必要書類を提出し、公証人と打合せ
作成した文案と必要書類(下記参照)を公証人に提出し、作成日などの打合せをします。このとき公証人から費用が提示されます。(公証人の費用は、法定されています。基本的には遺言の目的である財産の価格で決まりますが、詳しくは日本公証人連合会のページを参照ください。)なお、公証人との打合せはすべて当職が行います。
3.遺言書作成当日
ほとんどの方が公正証書遺言を作成するのは初めてだと思います。そこで当事務所では、公証人から質問される事項や流れを事前にシミュレーションしてから公証役場に向かいます。緊張されると思いますが、しっかりサポートしますので、ご安心ください。公正証書遺言の作成が完了すると、「正本」と「謄本」が交付されます。一般的には遺言執行者が「正本」を、遺言者が「謄本」を保管します。(正本と謄本に法的効果の違いはありません。)
公正証書遺言の必要書類
- 戸籍謄本
→遺言者と相続人との相続関係が分かるもの - 印鑑証明書
→発効後3か月以内のもの - 不動産の登記簿謄本、名寄帳
→遺言の中に不動産が含まれる場合 - 預貯金や株等の明細
→通帳や明細書など - 実印
※委任状により、印鑑証明書以外のものは当事務所で取得可能です。
自筆証書遺言作成のポイント
自筆証書遺言は、以下のことに気を付けながら、作成する必要があります。
- 遺言書本文は、必ず全文を手書きする
- 「譲る」「渡す」「継がす」などの表現は使わない
- 不動産は、登記簿謄本のとおりに正確に書く
- 預貯金は、金融機関名・支店名・口座番号などで特定する
- 財産目録は、手書きでなくても有効
(ただし、財産目録の全項に署名押印が必要) - 正確な日付の記入・署名押印が必要
- 封筒にも署名押印が必要
- 夫婦2人で一つの遺言は無効になる
自筆証書遺言書保管制度の利用
自筆証書遺言書保管制度は、令和2年7月10日から始まった、自筆で作成した遺言書を法務局に預けることができる制度です。家庭裁判所の検認手続きが不要になったり、遺言書の紛失や改ざん、遺言書が発見されないなど自筆証書遺言のデメリットが解消されます。
また、費用も3,900円と公正証書遺言作成に比べて安く、利用しやすい制度になっております。ただ、制度上定められた様式(用紙)が必要となりますが、当事務所では、その制度に沿った遺言書の用紙を用意し、サポートしますので安心ください。
報酬
公正証書遺言作成の司法書士報酬は、以下のとおりです。※公証人の手数料が別途発生します。
手続き名 | 報酬額(税込) |
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公正証書遺言作成 | 88,000円~ (証人2人の費用込み) |
自筆証書遺言作成サポート | 66,000円~ |
お問い合わせ
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